二つの仮面と詩
アノニムが帰ってきたので今までの作品を紹介してみます。
「anonym」
何か言いたげな匿名の誰かの仮面。
物言わぬことの不明さをできるだけビビッドに仮面にしたくて作りました。
思っているだけでは、考えているだけではさっぱりわからない。
どこの誰か知らない何かであろうが物言いたげならば聞いてみたい。
水彩と蜜蝋を使った着彩方法に挑んでみましたが、少しむらが目立つのでもう一回塗り重ねようと思います。
厚みのない材から彫り出したこともあって結構のっぺりとした印象になったので顔のラインを修正し、無垢の部分を日焼けさせてもう少し立体的な面にする予定です。
未だ修正を続ける仮面。
「自律の面」
初めて作った仮面です。
い人それぞれ見えている世界が違うように自分の知らない自分の顔が人の数だけ存在していて、人が自分を見ているのと同時に自分も人を見ているのだということに自覚的になるための面です。
自分にまとわりつく無数の姿を意識しつつも自分で考えることとしての自律、ある種の理想です。
写真で見るよりも実物の目は本当に「目」という感じで、じっとこちらを見つめてきます。作った僕でも一時は不気味でタンスの奥にしまっていましたが最近は部屋に飾っています。
なんだかんだと意図を込めて仮面を作るのも面白いですが、もっと肩の力を抜いて、もっと可愛らしく部屋に飾っても馴染みそうな仮面を作れるようになればいいなと思いますが、まだ修行が足りないようです。
手グセで作れるようになったら素敵です。
詩集「ナンセンスウロコ」抜粋
100篇書いた詩の一部です。
内容の良し悪しは書いた僕には判断しかねますが、個人的には充実しています。
日々のふとした瞬間に自分の書いた詩が浮かび上がってきて、瞬間瞬間の解像度を高めてくれる不思議な感覚があって、それが僕はすごく好きです。
詩作は人生を通しての楽しみになる予感がしています。